多変量テスト(MVT)とは、WEBデザインの仮説を検証するためのテストのひとつで、ABテストの一種とも言えます。
ABテストでは主に、分かりやすく大きく異なるデザインやパーツ同士を比較しますが、もっと複雑な比較をしたい場合に多変量テストを用います。簡単にいえば「組み合わせるバリエーションの数が豊富なABテスト」といったところでしょうか。
例えば、通販サイトの商品詳細ページで、2通りの商品画像と2通りの見出し分について検討したい場合、これらの要素で組み合わせ可能なパターンを出します。「2×2=4」通りのパターンテストができますので、各パターンの成果を分析し、そこからより効果的な組み合わせや要素を導き出すことができます。
このように、多変量テストによってページ内の異なる複数の要素を切り替えて組み合わせ、膨大なバリエーションで細かな違いを比較・精査します。
多変量テストでは、さまざまな要素を組み合わせて比較することで、どの組み合わせが効果的なのか、個々の要素が与える影響力はどれくらいあるのかがわかります。
つまり、同一ページでどの要素がCVRへ影響しているのかを数字で比べることができるようになります。
パターンから導き出されるバリエーションの数はテストするWEBサイトによって異なりますが、要素が増えるほどバリエーションの数も増え、テストもより複雑になります。
1ページあたりの要素が多くて長いランディングページや、リンクボタンの多いインタラクティブなページなど、ページの構成要素が複雑であればあるほど、単体での簡易なABテストでは検証が難しく、時間がかかります。
多変量テストの大きなメリットは、多くの異なる要素を一度に分析し、効率的に分析作業を進めることができる事です。
要素の変更にも柔軟に対応しているので、新しい考えを試すことも可能。どの要素が優れているのか、どの要素が機能しているのか、要素間の連携はどのようになっているのか、などを理由も含めて特定し、大量の情報とインサイトを提供してくれます。
分かりやすい改善を求める場合というよりも、影響力の強いパーツを導き出したり、ABテストによって明らかになった改善箇所のより細かい相性問題を調べる際などに効果的です。
ABテストだけでこれを行おうとすると、組み合わせを変えて何度も何度も計測しなければならないので、なかなかに手間がかかります。
単一ページ上でどのパーツ同士の組み合わせが効果が高いのかや、影響の強い箇所はどこなのかなど、レイアウトの組み替えとパーツ単位の影響力を様々な角度からテストできるため、ランディングページの改善にも有効的です。
多くの要素から影響力のある要素や効果的な組み合わせを提示してくれるので、それを基により良いデザインを作成し、試すことができます。
多変量テストでは、複数の要素における最適化の取り組みに有効なテストとなります。
ABテストだけではインタラクション効果を測定する手段としては弱いですが、多変量テストでは要素間におけるインタラクション効果を測定し、効果的な組み合わせを知ることができます。
とはいえ、多変量テストは他のテストを補うための最適化テストともいえますので、単体で使うのには向いていません。
デザインプロセスにおいてどのタイミングで実行するのかをしっかりと検討しなければいけませんが、ユーザーの行動や好みは常に同じではなく変化していくものなので、定期的に行うことでマーケッターとしてのインサイトを常に新しい状態にしておくことができます。
多変量テストでは単純にテストのパターン数が多くなるので、それに合わせた十分なトラフィックが必要になります。また、データ取得にもある程度の時間がかかります。
そのため、日々のトラフィックが少ないサイトには不向きと言えるでしょう。大規模なサイトでも、組み合わせの数を増やしすぎると、テスト完了までに膨大な時間がかかることになります。
闇雲に実施するのではなく、最終的な目的や仮説、中間のゴールを設定し、どんなデータが欲しいのか明確にしてから実施しましょう。
多変量テストは、ABテストだけでは分からない細かな分析を行うことができるテストです。
得られた結果から、要素同士の相性や、ページ内での影響力を検証することができます。
単体で実施するのではなく、仮説を基に補助的に使ったり、最適化のためのデータ収集として実施するのがよいでしょう。
本格的なABテストを実行するためには、テストの目的や、自社のサイト性質、流入ユーザーに合わせて適切な機能が必要です。
当サイトでは、CVR改善に奔走するWEBマーケティング担当者の皆さまに、ABテストを成功させる本質である「設計力」と、そのために必要な「実行力」のあるツールをご提案しています。
この機会に是非ご確認ください。
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