トラフィックとは、一般的には一定時間内でのアクセスに伴うインターネット通信量の事です。どの時間帯に閲覧されやすいのか、その傾向を見る事ができます。
転じてABテストにおけるトラフィックとは、単純に時間(期間)あたりのテスター(ユーザー)を指す場合が多いです。
短期的には、1日24時間を通じて、どの時間帯でどの程度の人がアクセスしているかの指標ともなりますし、長期的には1週間単位での数を見る場合もあります。
トラフィックを作為的に割り当てる機能とは、ユーザー数や特定のページへの訪問者数を指定・制限する事を指します。
通常、初期設定では訪問者全員に対して100%テストが実行され、バリエーションの数だけ均等に配分されます。例えば既存ページとテストパターンA~Dの計5パターンあれば、それぞれ20%ずつテスターが分配されることになります。
この割合を、ツールの機能で意図的に設定して配信することができるのがトラフィックの割り当て機能です。
ポジティブなメリットとしては、比べるテストページ間でトラフィックを分割するので、それぞれのテストページに訪問したユーザーの行動を観察し、どれだけ必要なアクションを多く実行したのかを比べる事ができます。
トラフィック数の多いページは、候補としてあるテストパターンの中で多くの人が訪問していることの表われですから、複数あるクリエイティブデザインの中から、トラフィックの多いパターンのページを選んでテストすることで、よりCVに貢献することができます。
ツールによっては、テスト期間中に自動で優劣を判定し、効果が薄いものから効果が高いものへ選択肢を絞っていく(トラフィックの割合を可変にする)ことができるものもあります。
ネガティブなメリットとしては、そのテスト自体がCVに対してリスキーな場合にそのリスクへッジができる点です。
挑戦的なクリエイティブデザインなど、万人受けしづらいパターンをテストしたい場合、単純なABテストでも50%のトラフィックに配信され、行動してしまいます。思わしくない結果が出ることが予測される場合は、そもそものテスト参加者を制限することで、安全にテストすることができます。
テストを設計する上では、時に挑戦的なクリエイティブパターンを試したい場面もあるでしょう。
しかし、テストと言っても実際に稼働中のサイトで、生のユーザーに対して行うものですので、万が一そのテストを行うことで、50%のユーザーからCVを得られなくなってしまうのはあまりにリスキーです。
大多数の流入に対してはオリジナルを見せてCVを安定させつつ、一部のユーザーに試験的にテストを受けてもらいたい場合などには特に有効な機能と言えます。
トラフィックが少ない状態では、分散させても有意義なテスト結果を得る事は難しくなります。
データがなかなか集まらないことで全体的に時間がかかってしまい、何ヵ月もテストを行い続けなければ目標のサンプル数に達しない、といった状況にならないよう注意が必要です。
トラフィックへの外部からの影響は、トラフィックが少ないほど不均衡に影響するので、一般的にはトラフィックの割り当てはデフォルト(100%)のままにしておくことが推奨されています。リスクが高いテストを行うときのみ、トラフィック量を調整するようにしましょう。
ABテストではある程度統計的に信頼できるデータが必要なので、そもそもトラフィックは多いに越したことはありませんが、どうしても少ないトラフィックでユーザー動向を知りたい場合は、別途ユーザーテストの実施や直接的なコミュケーションなどで探っていくのが有効な策となります。
ABテストにおけるトラフィックの割り当て機能を使えば、流入の多いパターンを分析してパターン数を分散させたり、リスクヘッジとして一部のユーザーにのみテストしたい際に有効な機能です。
本格的なABテストを実行するためには、テストの目的や、自社のサイト性質、流入ユーザーに合わせて適切な機能が必要です。
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